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急速なグローバル化は、発展途上国だけでなく先進諸国においても貧困・社会的排除、都市問題、地域紛争、環境問題などを深刻化させています。ところが1990年代以降、南アジアや東南アジアにおいて、国家や地域の枠を超えて活動するいくつかのNGO・機関がアジア各地域の社会的文化的背景を熟知したうえで、人間の自立やコミュニティの内発的発展を誘発するアプローチにより上記の課題解決において大きな成果を挙げてきています。
「アジアにおける知的協働と社会デザイン研究」では、これらのNGO・機関が採用する方法論を学術的に解明し、また我が国における伝統的な農村社会の慣習や都市コミュニティにおける住民協働等の問題解決事例を再検証します。これをNGO・機関の動きと接合させることにより、アジア諸国と我が国それぞれの営為の間に新しい「知的協働」の関係性が構築され得ると考えます。さらにこうした「知的協働」の実践を先導することにより、我が国の国際貢献の充実や国際競争力の強化を加速させることにも繋がる、新たな教育研究を展開していきます。
立教大学は上記目的のために、2009年9月、アジアのNGO・機関・大学との連携により the Asian Institute for Intellectual Collaboration(AIIC:アイック)を設立しました 。
AIICでは、社会開発・平和構築・観光諸分野に関する研究成果を複合させることによって「社会デザイン学」を確立し、学術的見地から有効な政策提言・事業創造を行うことのできる、実践的研究者「社会デザイナー」を育成していきます。
人材育成面では、立教大学の7研究科を横断する博士課程強化プログラム=STCS(Social Technology for Civil Society)プログラムや海外協定大学との共同博士課程(Joint Doctoral Research Program)を通じて、専門性と実践性を兼備した人材養成のための大学院教育システムを整備。研究面では、アジアの内発的発展に関する新たな学問領域「社会デザイン学」の確立を通じて、AIICはオルタナティブな政策・事業創造の可能性を研究し、その実現の仕組みを構築します。

立教大学は1958年にアジア地域綜合研究施設(現アジア地域研究所)を設立以来、今日までアジアとの関わりを重視した教育研究を深化・発展させてきました。
こうして培ってきた教育研究基盤の上に、近年とくに南アジア、東南アジアとの関係を強化しながら、組織的な教育研究体制樹立を目指し、本学は総長のリーダーシップの下、三大政策方針(国際化、大学院改革、研究活性化)を打ち出しました。
2006年にはノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が総裁を務めるグラミン銀行(Grameen Bank)をはじめ、 BRAC (Bangladesh Rural Advancement Committee)、PDA (Population and Community Development Association, Thailand)、PBSP(Philippine Business for Social Progress) といったアジア発の世界的NGO・機関および、ダッカ大学、BRAC大学、 アテネオ・デ・マニラ大学といった南アジア・東南アジアの大学との学術交流協定を締結しました。立教大学は国際連携基盤とこれまでの教育研究実績を土台に、アジアの自立的発展に寄与する研究と人材育成を全学体制で推進しています。